活動報告

2020年2月24日

研修会報告第2回 地域歯科保健研修会報告

令和元年度第2回地域歯科保健研修会報告書


令和2年2月2日(日)に広島県歯科医師会館において、令和元年度第2回地域歯科保健研修会を開催しました。
講師に広島大学名誉教授 杉山勝先生をお迎えし、「周術期等口腔機能管理~放射線・化学療法による口腔への影響~」というタイトルでご講演いただきました。
講演内容は、「頭頸部の放射線・化学放射線療法の特徴」「造血幹細胞移植患者の口腔合併症と口腔機能管理」ならびに「薬物療法を受ける患者の特徴」の3部構成でした。
周術期等口腔機能管理を行ううえで、医科と歯科との連携は必要不可欠です。全身疾患治療に関連し口腔管理が必要という理解が得られがたいケースなどに遭遇したとき、医科スタッフからの説明が加わることでスムーズにいったエピソードなど、口腔外科での診療経験をまじえて講演いただき、臨床で使えるヒントがたくさんありました。そのような患者理解、医科スタッフの理解を得るためにはエビデンスが重要で、エビデンスに基づいた放射線治療、造血幹細胞移植、薬物療法の知識を得ることができました。
受講者からは、「化学療法,放射線治療患者さんへの口腔ケアのやり方や起こりうる口腔有害事象を知ることができて勉強になりました。また,薬物についても細かく教えてもらえてよかったです。」「造血幹細胞移植の概要や口腔ケア方法について詳しく学べたのでとても良かった。頭頚部の治療を行う患者さんへも特徴やケアをよく理解し,患者さんへ寄り添っていきたいと思います。」「医科,歯科の重要性を改めて考えさせられました。今後しっかりと連携をとれるようにしていきたい。」といった貴重なご意見をいただきました。
長年、歯科衛生士教育に携わられていた先生で、耳慣れないがん治療の専門用語も丁寧に、歯科衛生士に理解し易い言葉で解説くださり、すでに周術期等口腔機能管理に携わっている人にも、これから取り組む人にもわかりやすい講演でした。2人に1人ががんと診断される現在、歯科医療現場でも今後より多くのがん患者さんと接する機会が増えることが予想されます。医科歯科連携を行ううえで重要と教わった“エビデンスを基に口腔ケア”ができる歯科衛生士になるために、大変有意義な研修会でした。
(公衆衛生部)






活動報告 一覧