活動報告
2019年8月11日
研修会報告令和元年度 第1回地域歯科保健研修会報告
令和元年7月21日(日)に広島大学歯学部において、令和元年度第1回地域歯科保健研修会を開催しました。
講師に広島大学大学院医系科学研究科歯科放射線学教授 柿本直也先生をお迎えし、「臨床に活かそうエックス線画像」というタイトルでご講演いただきました。
講演は、前半「歯周治療の画像診断」、後半「顎骨病変の画像診断」の2部構成でした。
「歯周治療の画像診断」では、エックス線についての基本知識、歯周病の症例や演習を通して治療過程における画像所見など臨床応用まで学ぶことのできる内容でした。オルソパントモグラフィーとデンタルそれぞれの種類の画像比較を学び、状況に合わせた適切な投影方法の選択が必要であるということを再認識しました。また、エックス線画像を活用し、実際の口腔内と照らし合わせながら診療していくことが大切だと感じました。
「顎骨病変の画像診断」では、がんの病期診断と放射線治療、BMAによる顎骨壊死の臨床病態について教えていただきました。口腔がんは1年で7000人もの罹患数であり、そのうちの6割が舌がんであると言われています。舌がんは、スーパーボールのような硬さであることから、縦につまむようにすると正常組織との違いがわかりやすいと教えていただき、臨床に役立つと感じました。また、BMAによる顎骨の変化についても進行の過程を時系列で示していただき、歯科衛生士として口腔衛生管理を行ううえで必要な知識を得ることができました。
受講者からは、「歯周病・う蝕だけでなく,顎骨壊死のようになかなか見られない疾患の画像の見方についても知ることができたので良かった」「難しい内容を画像の変化で詳しく説明して頂き,興味深い研修だった」「舌癌を見逃したくないと思いました」「明日からの診療でXP,パノラマ,CT見るのに興味を持って見られそうです」といった貴重なご意見をいただきました。
その他にも、広島という土地柄、“放射線”という言葉に敏感な患者さんも多く、放射線についての患者説明の仕方など具体的な事例を用いて紹介してくださるなど、多岐に渡る内容で、あっという間の3時間となりました。
今後は柿本直也先生の講義から学んだことを活かして、エックス線画像を見る目を養いたいと感じる大変有意義な研修会でした。
公衆衛生部 部員 中村真梨子