活動報告

2019年12月21日

研修会報告令和元年度 アドバンス研修会

令和元年11月17日(日)に広島県歯科医師会館5階において、令和元年度アドバンス研修会が開催されました。


講師に日本歯科大学附属病院 総合診療科勤務 準教授 大澤銀子先生をお迎えし、「臨床に役立つコミュニケーションスキル~コーチング~」というタイトルで、講義のみならずペアを組んでディスカッションを行い、フィードバックをし合うなど楽しい雰囲気でご講演いただきました。
まずは“コーチング“という言葉の意味や考え方から方法、行う際の環境設定について講義をしていただきました。日常の会話はもちろん、医療の世界も指示や命令だけでは対応できないため、ティーチングとコーチングを使い分けていく必要性を感じました。傾聴、質問、承認、提案とコーチングのスキルにおいて全て中心は相手にあることを学びました。話を聴く際、”聴いている“とあいづちや表情で伝えること、相手の中から思いをより引き出せる問いかけをすること、提案は前置きをしてより具体的にすること、これらは医療現場における患者さんとのコミュニケーション以外にもスタッフ間のコミュニケーションでもとても重要なことだと感じます。その中でも私が強く印象に残っているのが”Iメッセージ“です。例えば相手を褒める際、「(あなたは)よく頑張りましたね」と伝えるのか、「(私は)あなたが頑張ってくれるのでうれしいです」と伝えるのか。このような伝え方をペアで実践してみましたが、”私“がどう思っているのかを伝える方が心に届くと感じました。講演後から実際に職場でもIメッセージで伝えるように工夫するようになりました。
またコーチ役とクライアント役に分かれてのコミュニケーション実践では、オブザーバー役からコーチとしての自分の話の進め方や環境設定に関してフィードバックをいただきました。自分の癖などもわかり、さらにいい形になるようディスカッションもできいい経験となりました。
 受講者からは「コーチングの難しさを改めて感じました、人の話を聴いているつもりでも態度によってはそれが相手に失礼な態度になっていることを感じました」「「患者さんからの要求を聞き出す流れがわかりました」「押し付けではなく患者様の思い、環境等を引き出しながら、思いを伝えられるDHでありたいと思いました」など貴重なご意見をいただきました。
 すぐに様々な場面で実践できる内容だったので、学んだスキルを活用してコミュニケーションエラーを軽減させることができれば、と考えます。医療者と患者の立場だけでなく、教育においてとても学びの深い講演会となりました。

(学術部 部員 溝田結日)






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