活動報告

2019年10月27日

研修会報告令和元年度 第2回介護予防口腔機能向上研修会報告

令和元年9月29日(日)に広島県歯科医師会館5階において、令和元年度第2回介護予防口腔機能向上研修会が開催されました。
講師に、小規模多機能型居宅介護「時の里」管理者であり歯科衛生士の高場由紀美先生をお迎えし、「小規模多機能サービスで取り組む認知症の方への食支援~ターニングポイントを見逃さないために~」というタイトルでご講演いただきました。
まず講演の柱となる“小規模多機能型居宅介護”や“地域包括ケアシステム”の説明があり、はじめて聞く方にもわかりやすい導入から始まりました。
高場先生は歯科衛生士という立場から、利用者と関わっていく中で“その方にとっての当たり前を変えない”ということを念頭に置かれ、特に生命にかかわる“食べる”ということに着目し、工夫した支援をしてこられたことがわかりました。認知症の方の食事に携わる上で重要なことは、変化の観察、記録、そしてどんな小さな変化でも見逃さず、共有していくことが問題に直面したときの解決の糸口になるのだと学びました。実際に介助する際には、話しかけるときの口調や取り組む姿勢に問題がないかということを客観的に評価する必要性が理解できました。先生が講演の中で述べられた「食事介助は食事を全部食べるためのケアではなく、食事を楽しめる時間を共にできるケア」という言葉がとても印象に残っています。これからの時代、歯科衛生士はブラッシングだけではなく、全身管理もできることが求められていると改めて感じました。
 また、くるリーナブラシを用いた口腔ケア実習では、くるリーナブラシの特徴や使用感、注意すべきポイントなど、臨床で活かせる実践的な内容を教わりました。
受講者からは「小規模多機能施設や地域包括の関わり方のイメージが理解できました。」「現場での具体的な内容で理解しやすく,また臨床ですぐ使えそうなヒントもたくさんいただけました。」といった貴重なご意見をいただきました。
 地域包括ケアシステムにおける多職種連携が身近になっている中で、これからさらに歯科衛生士の活躍の場が広がっていく可能性を強く感じる有意義な研修会でした。
(学術部 部員 溝田結日)




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